エステサロンやセルフエステの普及に伴い、小顔効果やリフトアップを謳うハイフ施術が人気を集めていますが、これに伴う健康被害の相談が国民生活センターに数多く寄せられています。本来、ハイフは特定の層に熱エネルギーを集中させる強力な医療機器であり、その操作には高度な解剖学的知識が不可欠です。顔面には複雑に神経や血管が走っており、適切な深さと強度で照射しなければ、神経を傷つけて麻痺を引き起こしたり、重度の火傷を負わせたりする危険性があります。医師免許を持たない無資格の施術者が、機器メーカーからの簡易的な説明だけで施術を行うことは、目隠しをして道を歩くような危うさを含んでいます。実際に報告されている事例では、施術直後から顔に激痛が走り、数ヶ月経っても感覚が戻らないといった神経損傷の被害や、皮膚の表面だけでなく深部まで熱が通り過ぎてしまい、一生消えない跡が残るといった悲劇が起きています。これらの無資格者による施術は、医師法第17条に違反する可能性が極めて高く、警察による摘発事例も後を絶ちません。しかし、一部の店舗では医療用ではないから安全であるといった虚偽の説明を行い、消費者を欺いている現状があります。そもそも医療用とエステ用の境界線は出力の差だけでなく、その行為自体が身体に影響を及ぼす目的で行われるかどうかにあります。効果を実感できるほどのエネルギーが出る機器であれば、それは必然的にリスクを伴う医療機器であり、それを無資格者が扱うことは許されません。消費者は、価格の安さや広告の華やかさに惑わされることなく、自分の顔に当てる機器がどのような原理で動き、誰が責任を持って操作するのかを厳しく問う必要があります。もし無資格者による施術で被害に遭った場合、その施設には医師が常駐していないことが多いため、適切な初期治療を受けることが遅れ、後遺症が悪化する恐れもあります。医療機関であれば、万が一の際も医師が即座に診断し、必要な薬剤の処方や処置を行うことができますが、無資格の店舗では責任の所在さえ曖昧にされることが少なくありません。自分の身を守るための唯一の手段は、公的な資格を持たない人間には絶対に身体を預けないという強い意志を持つことです。